生理的なもの
すべての人が日常生活の中で起こす口臭のことを生理的口臭といいます。健康そのものの様な人であっても出ます。
代表的な生理的口臭は以下のとおりですが、その強弱は人により異なりますし、同じ人でもその時々で異なります。
口臭が出るような、病気・薬の副作用、口腔内細菌の質、生活習慣の問題があると、生理的口臭が出るような時に、問題がなければ口臭が3しか出ないところが10出たりします。
- 起床時(口渇)
- 緊張時・ストレス時(口渇)
- 運動時(口渇によるもの)
- 空腹時(口渇・飢餓)
- 月経時、その前後や妊娠時のホルモンバランス変化に伴うもの
- 思春期、老齢期などの年代特有のもの
- 高齢による唾液分泌量の低下(口渇)
- 飲食物(アルコール、ニンニク、ネギなど)によるもの
自分自身の口臭や口の不快感がある方は、どのような時にそう感じるかを良く観察してみてください。上記のどこかに当てはまりませんか?
病気・薬の副作用
鼻やのどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病、肝臓疾患、癌、シェーグレン症候群などが原因で口臭が起こる場合があります。飼い犬が飼い主の癌を知らせたという話を聞いた事があるかもしれません。程度にもよりますが、風邪をひいているときにも口臭が出ます。
また、抗うつ剤、鎮痛剤、抗パーキンソン剤、降圧剤、抗ヒスタミン剤など唾液の分泌の低下がおこるような薬を服用していると、口が乾燥し口臭が起こる場合があります。
病的口臭の90%以上は口の中にその原因があると言われており、歯周病、むし歯、歯垢、歯石、舌苔(ぜったい)、入れ歯の清掃不良、口腔癌などが挙げられますが、この中でも特に歯周病によるものが圧倒的に多いです。
歯周病の人は、歯垢や歯石が多く付着していることが多く、逆に言うと多く付着しているからこそ歯周病にかかっています。また舌苔もほとんどの場合で存在し、歯周病の高齢者ほど歯を失っている本数が多いため、入れ歯の範囲も広い傾向があります。
口臭の原因の根本は、口の中に生息する歯周病菌や虫歯菌、真菌(カビ)などの微生物が活動する過程で出す硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどという臭い物質です。
歯周病菌が臭いを発生するから歯周病のある人は歯周病の臭いがする、虫歯菌が臭いを発生するから虫歯のある人は虫歯の臭いがするということです。
病気があるから、薬を飲んでいるから必ず口臭がするわけでなく、また口臭が出たとしても強弱は人により異なりますし、同じ人でもその時々で異なります。
口腔内細菌の質
口の中には700種類とも言われる微生物(細菌やカビ)が生息しています。その構成は人それぞれですが、無菌の人は世の中に一人もいません。いてほしくないかもしれませんが、皮膚の上にも腸の中にもいて共存をしており、これらがいないと私たちは生きていけません。
細菌の構成について虫歯菌と歯周病菌で話せば、虫歯菌が多い人、歯周病菌が多い人、両方とも多い人、両方とも少ない人の4種類に分かれます。甘いものばかり食べていて歯磨きもテキトウなのに虫歯にならない人と、逆に甘いものは苦手で十分に歯磨きをしているのに何度も虫歯になる人がいるのはこのためです。
もちろん、歯の固さ(人により違う)や唾液の質や量など様々な要素が関係して虫歯になりますが、全体に占める虫歯菌の割合が高ければ高いほど虫歯に成りやすいのは事実です。歯周病も同様です。
下のビデオは口腔内細菌を顕微鏡で観察したものです。位相差顕微鏡がある歯科医院であればご自身のものを見る事ができます。質が良くない人ほど動く細菌が多く、ニョロニョロと動く細菌が見られる傾向にあります。この動画は、軽度の歯周病がある方のものです。
細菌の質は人により異なります。また、同じ人でも採取する部位によって異なります。
歯周病菌がいて歯周病になっている、虫歯菌がいて虫歯になっているのは分かりやすい状態ですが、菌がいても病気を発症していな状態があります。
隣に風邪をひいている人がいたら風邪のウイルスを吸い込み体内に入りますが、体内にいるからといって必ず風邪をひくわけではないことと同じです。
歯周病や虫歯を発症していなくても、それらを代表とするニオイを発生する微生物が多く口腔内に存在すれば、同じ条件であれば少ない人より口臭を発生させてしまいます。また、質が良くないほど特に起床時の口の不快感は強く出る傾向にあります。
生活習慣
口臭の原因の大半は口腔内細菌の増殖が原因です。
細菌が増えるような時、細菌が増えるようなことを行うと、病気などの問題が無くても口臭がでます。これを生理的口臭といいますが、病気や口腔内細菌の質に問題があれば、問題がなければ口臭が3しか出ないところが10出たりします。問題が大きければ大きいほど口臭はより強くでることは想像できると思います。
細菌が増えるような時
- 起床時
- 緊張時
- ストレス時
- 運動時
- 空腹時
細菌が増えるようなこと
- 不適切な歯磨き
- 糖やタンパク質の摂取
- 水分の摂取不足
- 口呼吸
- タバコ(口呼吸)
心理的なもの
緊張して唾液の分泌量が減少し口が乾き、細菌が増殖した結果、口臭が出るというのは心理的なものですが、歯科で心理的口臭というのは主に自臭症を指します。
誰でも自分の口臭は気になるもので、口臭についてのアンケートを取ると、全く気にならないという人は10%もいませんが、過度に口臭を気にするあまり、日常生活に支障をきたすような状態に陥っている人は自臭症の疑いがあります。例えば、電車など人との距離が近くなるような状況になると、自分の息を吐かないようにし始め、呼吸が普通に行えなくなったりする状態になる人です。
多くの場合、他人の行動、例えば、会話中に口を手で塞ぐことやひそひそと話しているところ、咳き込みや窓を開けることをみると、自分の口臭と結びつけ心理的に緊張し、本当に緊張時口臭を発生するという悪循環が起こることが多い一方、自宅で一人で過ごしているときには何も起こらない。他人が関与することで緊張し発症します。相当に本人の性格が関与している。
普通の歯医者に行っても「問題無い」や「気にしすぎ」で終わることが多いので、心理的口臭(自臭症)を扱える歯科医院に受診する必要がある。その程度よっては心療内科との連携が必要のこともある。
多くは思春期など傷つきやすい年頃の経験が元になっているので、口臭を指摘するときは細心の注意が必要です。また、いじめを代表とする他人からの心ない口臭に関連する発言による傷心のケアは必要です。




