歯のセンセイ

相手が不快に感じ息のニオイは、仕事や恋愛など相手とのコミュニケーションに大きな影響を及ぼします。
実際、歯科医院に来た営業の方の口が臭くて話を早く切り上げたことが何度かありますし、口臭をお付き合いしている人に指摘された後にフラれた患者さんもいました。
口臭は、せっかくのチャンスを逃す場合がありますので、出来るなら息のニオイのコントロールをしましょう。また、口臭の原因が病気ということもありますので注意してください。

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1. 口臭の原因

口臭
生理的なもの

すべての人が日常生活の中で起こす口臭のことを生理的口臭といいます。健康そのものの様な人であっても出ます。

代表的な生理的口臭は以下のとおりですが、その強弱は人により異なりますし、同じ人でもその時々で異なります。

口臭が出るような、病気・薬の副作用口腔内細菌の質生活習慣の問題があると、生理的口臭が出るような時に、問題がなければ口臭が3しか出ないところが10出たりします。

  • 起床時(口渇)
  • 緊張時・ストレス時(口渇)
  • 運動時(口渇によるもの)
  • 空腹時(口渇・飢餓)
  • 月経時、その前後や妊娠時のホルモンバランス変化に伴うもの
  • 思春期、老齢期などの年代特有のもの
  • 高齢による唾液分泌量の低下(口渇)
  • 飲食物(アルコール、ニンニク、ネギなど)によるもの

自分自身の口臭や口の不快感がある方は、どのような時にそう感じるかを良く観察してみてください。上記のどこかに当てはまりませんか?

病気・薬の副作用

鼻やのどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病、肝臓疾患、癌、シェーグレン症候群などが原因で口臭が起こる場合があります。飼い犬が飼い主の癌を知らせたという話を聞いた事があるかもしれません。程度にもよりますが、風邪をひいているときにも口臭が出ます。

また、抗うつ剤、鎮痛剤、抗パーキンソン剤、降圧剤、抗ヒスタミン剤など唾液の分泌の低下がおこるような薬を服用していると、口が乾燥し口臭が起こる場合があります。

病的口臭の90%以上は口の中にその原因があると言われており、歯周病、むし歯、歯垢、歯石、舌苔(ぜったい)、入れ歯の清掃不良、口腔癌などが挙げられますが、この中でも特に歯周病によるものが圧倒的に多いです。

歯周病の人は、歯垢や歯石が多く付着していることが多く、逆に言うと多く付着しているからこそ歯周病にかかっています。また舌苔もほとんどの場合で存在し、歯周病の高齢者ほど歯を失っている本数が多いため、入れ歯の範囲も広い傾向があります。

口臭の原因の根本は、口の中に生息する歯周病菌や虫歯菌、真菌(カビ)などの微生物が活動する過程で出す硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどという臭い物質です。

歯周病菌が臭いを発生するから歯周病のある人は歯周病の臭いがする、虫歯菌が臭いを発生するから虫歯のある人は虫歯の臭いがするということです。

病気があるから、薬を飲んでいるから必ず口臭がするわけでなく、また口臭が出たとしても強弱は人により異なりますし、同じ人でもその時々で異なります。

口腔内細菌の質

口の中には700種類とも言われる微生物(細菌やカビ)が生息しています。その構成は人それぞれですが、無菌の人は世の中に一人もいません。いてほしくないかもしれませんが、皮膚の上にも腸の中にもいて共存をしており、これらがいないと私たちは生きていけません。

細菌の構成について虫歯菌と歯周病菌で話せば、虫歯菌が多い人、歯周病菌が多い人、両方とも多い人、両方とも少ない人の4種類に分かれます。甘いものばかり食べていて歯磨きもテキトウなのに虫歯にならない人と、逆に甘いものは苦手で十分に歯磨きをしているのに何度も虫歯になる人がいるのはこのためです。

もちろん、歯の固さ(人により違う)や唾液の質や量など様々な要素が関係して虫歯になりますが、全体に占める虫歯菌の割合が高ければ高いほど虫歯に成りやすいのは事実です。歯周病も同様です。

下のビデオは口腔内細菌を顕微鏡で観察したものです。位相差顕微鏡がある歯科医院であればご自身のものを見る事ができます。質が良くない人ほど動く細菌が多く、ニョロニョロと動く細菌が見られる傾向にあります。この動画は、軽度の歯周病がある方のものです。

細菌の質は人により異なります。また、同じ人でも採取する部位によって異なります。

歯周病菌がいて歯周病になっている、虫歯菌がいて虫歯になっているのは分かりやすい状態ですが、菌がいても病気を発症していな状態があります。

隣に風邪をひいている人がいたら風邪のウイルスを吸い込み体内に入りますが、体内にいるからといって必ず風邪をひくわけではないことと同じです。

歯周病や虫歯を発症していなくても、それらを代表とするニオイを発生する微生物が多く口腔内に存在すれば、同じ条件であれば少ない人より口臭を発生させてしまいます。また、質が良くないほど特に起床時の口の不快感は強く出る傾向にあります。

生活習慣

口臭の原因の大半は口腔内細菌の増殖が原因です。

細菌が増えるような時、細菌が増えるようなことを行うと、病気などの問題が無くても口臭がでます。これを生理的口臭といいますが、病気口腔内細菌の質に問題があれば、問題がなければ口臭が3しか出ないところが10出たりします。問題が大きければ大きいほど口臭はより強くでることは想像できると思います。

細菌が増えるような時

  • 起床時
  • 緊張時
  • ストレス時
  • 運動時
  • 空腹時

細菌が増えるようなこと

  • 不適切な歯磨き
  • 糖やタンパク質の摂取
  • 水分の摂取不足
  • 口呼吸
  • タバコ(口呼吸)
心理的なもの

緊張して唾液の分泌量が減少し口が乾き、細菌が増殖した結果、口臭が出るというのは心理的なものですが、歯科で心理的口臭というのは主に自臭症を指します。

誰でも自分の口臭は気になるもので、口臭についてのアンケートを取ると、全く気にならないという人は10%もいませんが、過度に口臭を気にするあまり、日常生活に支障をきたすような状態に陥っている人は自臭症の疑いがあります。例えば、電車など人との距離が近くなるような状況になると、自分の息を吐かないようにし始め、呼吸が普通に行えなくなったりする状態になる人です。

多くの場合、他人の行動、例えば、会話中に口を手で塞ぐことやひそひそと話しているところ、咳き込みや窓を開けることをみると、自分の口臭と結びつけ心理的に緊張し、本当に緊張時口臭を発生するという悪循環が起こることが多い一方、自宅で一人で過ごしているときには何も起こらない。他人が関与することで緊張し発症します。相当に本人の性格が関与している。

普通の歯医者に行っても「問題無い」や「気にしすぎ」で終わることが多いので、心理的口臭(自臭症)を扱える歯科医院に受診する必要がある。その程度よっては心療内科との連携が必要のこともある。

多くは思春期など傷つきやすい年頃の経験が元になっているので、口臭を指摘するときは細心の注意が必要です。また、いじめを代表とする他人からの心ない口臭に関連する発言による傷心のケアは必要です。


2. 対策する順番

口臭
本人に自覚が無いとき

他覚的にあるわけですから、積極的な改善が必要です。病気が原因の場合もありますし、病気が無くとも社会生活においてマイナス要因である以外何もありません。

口臭が常にある場合、嗅覚が麻痺し本人は自覚しにくいものです。臭い公衆トイレに入ったときは臭いと感じたのに、出るときにはあまり感じないのと同じ理屈です。

本人に、口臭がある旨と病気かもしれない旨を伝え、まずは本人に気付いてもらうことが必要です。

本人の悩みとなり、改善したいと思ったときが治療開始時期となります。口臭の対策には生活習慣の改善が必須のため、本人が改善したいと思わなければ対策しようがないからです。

本人の悩みのとき

まずは病的口臭か病的でないのかを判別することからはじめます。病的な口臭なのに病気を治さず、コントロールもせず、他の口臭対策をしても効果は限定的です。

病的口臭の90%以上は口の中にその原因があると言われています。毎年健康診断を受けていて、特に問題が無い場合や病気はあるが治療中の場合、まずは歯科医院に行って病気がないか調べてください。

健康診断を受けていない場合は、健康診断や人間ドックを受けて全身に問題がないかの確認もしましょう。

口臭対策の順番

  1. 健康診断や人間ドックで問題があれば治療
  2. 歯科医院で検診、虫歯や歯周病を治療
  3. 生理的口臭が軽減するような対策
  4. 口腔内細菌の質の改善
  5. 服用している薬の確認
生理的口臭が軽減するような対策

生理的口臭の種類

  • 起床時(口渇)
  • 緊張時・ストレス時(口渇)
  • 運動時(口渇によるもの)
  • 空腹時(口渇・飢餓)
  • 月経時、その前後や妊娠時のホルモンバランス変化に伴うもの
  • 思春期、老齢期などの年代特有のもの
  • 高齢による唾液分泌量の低下(口渇)
  • 飲食物(アルコール、ニンニク、ネギなど)によるもの

どれも誰でもおこる口臭で、それを知り自分だけが特別でないこと理解することが第一歩です。直接的にできるのは口渇と飢餓、飲食物への対策です。

口臭

口が渇くというのは口の中の唾液の量が減少している状態です。主にニオイを発生させるのは嫌気性(酸素が嫌い)細菌で、唾液は酸素が豊富な動脈の血液から作られます。

唾液が少ないから口の中の洗浄作用や殺菌作用が減少し酸素の供給が減ってしまい、口腔内の嫌気性細菌の活動が増し細菌の量が増す、結果口臭や口の不快感がでるという理屈です。

歯磨きやフロスが適切に出来ていない「X」の状態は、口腔内の細菌(プラーク、歯垢のこと)が落とせていないので、嫌気性細菌も多い状態になります。歯磨きしないと虫歯や歯周病になるのは、菌が落とせていないからなるということ。

間食でチョコレートやカフェオレなどを摂取すると、口腔内に糖やタンパク質が供給され、虫歯や歯周病などの嫌気性細菌のエサとなるから。間食ばかりしたら虫歯や歯周病になるのは、菌を増やしてしまうからなるということです。

唾液の量を増やすには
  • 利尿作用があるカフェインやアルコールを可能な限り避ける。
  • 1日1.5Lを目安に発汗量に合わせて、体が常に潤うように小分けにして水分を摂取する。
  • よく噛んで食べる。
  • 糖分、塩分を控える。
菌の量を少なくするには
  • 歯磨きやフロスを時間をかけて適切におこなう。
  • 歯の治療に歯垢が付きやすい樹脂(プラスティック)を選ばない、あれば交換する。
  • 歯の治療に段差が多い詰め物、被せ物をを選ばない、あれば交換する。
  • 磨きにくい生え方の親知らずは抜歯する。
菌の量を直接的に増やさないためには
  • 食事以外、糖やタンパク質が入っている食べ物や飲み物は1日1回以下にするなどメリハリのある食生活を送る。

上記のようなことをすれば強弱は別として口臭が発生します。カフェオレ飲んで1分後に口の不快感があるということは当然であり悩むくらいなら水を飲めば解決しますし、飲み会の次の日の起床時に口の不快感が強くても当然のことと言えます。

どのようなものを食べたり飲んだときに不快感(口臭)が発生するかの実験をすると理解が深まると思います。

口腔内細菌の質の改善

口腔内細菌の質があきらかに良くない人の特徴は、歯磨き時に出血することが挙げられます。出血するというのは歯周病にかかっている状態であり、本当に健康な歯ぐきであれば1年に1度も血は出ません。

定期的に検診と歯のクリーニングを受けていているが、ゆすぐ時に出血を確認しているようであれば、それは歯周病にかかっている可能性がとても高いです。処置した衛生士や歯科医師からもっと良く歯磨きをした方がよいと言われていませんか?

それは、歯垢(細菌)の量をその人の免疫力で対応できる量以下にし、発症しないようにするためです。歯垢の量が減るので比例して口臭も減ります。

歯垢の量を減らす方法には、歯磨きで落とすこと、歯磨きペースとやマウスウォッシュに含まれる殺菌成分で殺菌する方法があります。歯磨きペースとやマウスウォッシュのパッケージに虫歯・歯周病・口臭予防と3点セットでだいたい書いてあるのはこのためです。

殺菌成分が強力なほど細菌が死滅するので予防になることはいうまでもありません。口腔内で使用出来る強力なものは次亜塩素酸水があげられ、実際、500ppm程度の濃度が濃いもを用いると一瞬で口臭はなくなります。

歯垢の量を減らす方法が一般的に広くおこなわれていますが、口腔内細菌を調べ歯周病菌(ニオイを発生)の種類を特定し、その菌を抗菌剤で死滅させるという方法もあります。

量を減らす方法では、いつもは発症していないが風邪など体力が落ちたとき、つまり免疫力が落ちたときは発症(出血)するということがおこりますが、内科的な治療では根本的に歯周病菌がいなくなるため免疫力が落ちたとしても発症しません。また、口臭も激減します。

さらに別の方法では、いわゆる善玉菌を口腔内に供給し悪玉菌である歯周病菌などの嫌気性細菌を減らすという方法もあります。

善玉菌はタブレットをなめることで供給します。抗菌剤や次亜塩素酸水は子供にはあまり使用しませんので、子供にとっては特に有効な方法です。実際、私の子が虫歯になりましたが、治療後からタブレットを毎日与えた後はなっていません。

歯周病菌を抗菌剤で死滅(必要だった人だけ)させたあと、毎日の歯磨きをしっかりと行い、歯磨き後に次亜塩素酸水で除菌し、善玉菌を摂取すれば、口腔内細菌の質は一番良い状態が保てます。

しかし、その人の口腔内の状態でどの程度行うかの判断をされることが普通であり、また、どこの歯科医院でもこれらすべてを取り扱っているわけではありません。

服用している薬の確認

自身で購入し服用している薬剤の副作用に唾液の減少がある場合、代替があるならそちらを選択するようにします。

医師から処方されている場合、医師に代替があるか相談してみてください。

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